(無題)

わたしは何を見たか。

だってそれだって、貴女が梁といえば梁だし、
温かくて気持ちよくてsuitableでも他者の鋳型だ。
横向きに刺さる光りすぎる窓も蔓も、そう、その、梁、だって、グレーの格子だって、
切ないくらいちょうどいい白も、薄明るい木目も、うねうねの縞も、
大きくなったわたしの手が掴んで放さない心臓   も、
コーヒーの後味も、
毛糸だらけの脳も、
ほとんど生のため息も、
わたし、これをわたし、鎹にしたいの。