来年になってもわたしたち こうして 浮いて 透明で このままなのでしょうか 途方もなく遠い 昔に ホームセンターの前で見た おでんのタッパーを持った金髪の少年 白い息 中年のジャンパーの襟 乾燥したベンチ どんなに年をとっても 色褪せたままの幅の広い羽目板 隠せる階段の奥に ひょうが横たわっていたの わたしを愛しがって 会いたがって 呼びよせて でも空を見て寝ているそこへ すいばりに気をつけて すねに痣をつけて わたしが よっていきました ずっとずっと優しかったです 目尻が美しかったです ここは東京 恵比寿です 湿気に曇ったガラスの向こうに、天井まで届く大きな濃い葉 へその緒をつなぐのに夢中 わたし みえるのかなあ