恋人は嘘を吐き

唾だらけの銀は揺れても落ちないで
反射して盆地は妬けて
さようなら
見回せば山だらけ
たいそうこころづよい
城
のように思ってたけど
山を越えるとき彼女は
ああ入っていくのだと思ったと
そこは大名の土地
で
お外の海ではない
って本当かしら
本当。彼女の
わたしは見回す限り
限りなく見渡せる土地に
慣れてきたのかもね
夜道も怖れずかよったり
布団の腰にもぐったり
天井に這う虫をみて
ドアをあけて
麻痺して しないで

平野は八合目。
カウントは辞めて